こんばんわ、ともやんです。
「オルカンは全世界に分散してるから、守りの投資」。そう思って積み立てている方、多いんじゃないでしょうか。私も最初はそう思っていました。
でも、オルカンの中身をじっくり見ていくと、この認識は半分正しくて、半分間違っていることに気づきます。今日は「オルカン=守り」というイメージと実態のギャップについて、数字で整理してみたいと思います。
ちなみに、私がオルカンを積み立てているのは松井証券のNISA口座です(詳しくは記事後半で)。![]()
オルカンの中身、ちゃんと見たことありますか
オルカンことeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、世界の先進国23カ国・新興国24カ国、約2,500銘柄にまとめて投資できるインデックスファンドです。「全世界にまるっと分散」という説明はそのとおりなのですが、問題はその中身の配分です。
2025年11月末時点の月次レポートによると、国・地域別の構成はこうなっています。
| 国・地域 | 構成比 |
|---|---|
| アメリカ | 63.9% |
| 日本 | 4.8% |
| イギリス | 3.2% |
| カナダ | 2.9% |
| フランス | 2.3% |
※eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)月次レポート(2025年11月28日時点)より。構成比は変動します。
アメリカだけで63.9%。「全世界」という名前から想像する姿より、はるかに米国に寄っています。しかも組入上位10銘柄を見ると、10銘柄中9銘柄が米国企業。首位はエヌビディアで約4.5%、アップルが約4.0%と続き、いわゆる米国メガテックがずらりと並びます。業種別でも情報技術と金融だけで4割を超えています。
つまりオルカンの実態は、「世界中に薄く広く」というより「米国の巨大テック企業を中心に、世界のおまけがついてくる」構成に近いんです。
30年前、米国は4割弱だった
ここで面白いデータがあります。オルカンが連動するMSCI ACWIという指数の米国比率は、1990年代半ばには4割弱、およそ39%程度でした。それが今や64%。この30年で米国の存在感が1.6倍以上に膨らんだわけです。
なぜこんなことが起きるのか。オルカンが採用している「時価総額加重」という仕組みのせいです。時価総額加重は、株価が上がって時価総額が大きくなった企業・国ほど、自動的に組入比率が高くなります。つまり「今、強い者にどんどん寄っていく」仕組みなんですね。
この30年、世界で一番強かったのは米国株、特にGAFAMやエヌビディアといったメガテックでした。オルカンはその勝ち馬に自動的に乗り続けた結果、今の「米国64%」という姿になっています。
オルカンは「守り」ではなく「攻め」の顔を持っている
ここまでの話を整理すると、こうなります。オルカンは確かに全世界約2,500銘柄に分散しています。でもその中身は米国メガテックに大きく傾いていて、値動きの主役は完全に米国株です。
これは悪いことではありません。ただ、「オルカン=守りの分散投資」というイメージで持っていると、実態とのギャップに驚くことになります。米国株が大きく下がる局面では、オルカンもしっかり下がります。S&P500やNASDAQ100ほどではないにせよ、値動きの方向はほぼ一緒です。
むしろオルカンは、「世界の勝者に自動で乗り続ける」という意味で、かなり攻めの性格を持ったファンドだと私は思っています。守りに見えて、実は攻めている。ここが認識と実態のいちばん大きなギャップです。
2025年に起きた「オルカン敗北」の実例
この構成の偏りが実際に効いた例が、つい最近ありました。
2025年は、新興国株式が約25%、日本株(TOPIX)が約23%上昇した一方で、米国株(S&P500)は約17%の上昇にとどまりました。その結果、日本・先進国・新興国に3分の1ずつ投資する「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」が、オルカンを4.6%も上回るという逆転劇が起きたんです。
オルカンは米国が6割超を占めるため、米国が相対的に不調だった2025年は、その影響をもろに受けました。「全世界に分散しているから、どこが好調でも取りこぼさない」というイメージとは裏腹に、実際は米国次第という構造がはっきり出た年でした。
それでも私がオルカンを積み立て続ける理由
「じゃあオルカンやめたほうがいいの?」というと、私はそうは思いません。むしろ積み立ては淡々と続けています。理由は2つあります。
1つ目は、時価総額加重の「自動調整」は長期では強力な味方だからです。仮にこの先、米国の時代が終わって別の国や地域が台頭してきたら、オルカンの中身は自動的にそちらへシフトしていきます。30年前に米国39%だったものが今64%になったように、次の30年で構成が大きく変わっても、私たちは何もしなくていい。「未来の勝者を予想しなくていい」ことこそ、オルカン最大の価値だと思っています。
2つ目は、攻めの性格を理解した上でなら、それは欠点ではなく特徴だからです。長期の資産形成では、世界経済の成長、特にその中心にいる企業群の成長を取り込むことがリターンの源泉になります。今その中心が米国メガテックなら、そこに乗るのは合理的です。
大事なのは、「守りだと思って持つ」のではなく、「攻めの性格があると知って持つ」こと。同じオルカンでも、認識が違えば暴落時の行動が変わります。守りだと思っていた人は「話が違う」と狼狽売りしやすく、攻めだと知っていた人は「まあ米国が下がればこうなるよな」と構えていられる。この差は長期では決定的です。
まとめ:中身を知って、航路を守る
オルカンは「全世界分散」という看板どおりのファンドですが、その中身は米国64%・メガテック中心という、かなり攻めた構成になっています。30年前は米国4割弱だったものが、時価総額加重の仕組みによって今の姿になりました。2025年には3地域均等型に4.6%負けるという実例も出て、「米国次第」という構造が浮き彫りになっています。
それでも、未来の勝者を自動で追いかけてくれるこの仕組みは、長期投資家にとって強力な味方です。中身を正しく理解した上で、淡々と積み立てを続ける。それが一番の「守り」になると私は思っています。
オルカンをNISAで積み立てるなら、口座のコストも見ておきたいところです。私が使っている松井証券は、NISAなら日本株・米国株・投資信託の売買手数料が無料で、投資信託の購入時手数料も全銘柄無料です。さらに投資信託を保有しているだけで残高に応じて最大1%のポイントが貯まるサービスもあります(還元率は銘柄によって異なります)。口座開設は無料なので、気になる方は下のバナーからチェックしてみてください。
※本記事は執筆時点の公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、特定の金融商品を推奨するものではありません。構成比率などの数値は月次レポート等の時点のものであり、変動します。投資判断はご自身の責任でお願いします。

コメント