株の勝ち組は誰にも読めません。だから、読まなくていい場所から始める

NISA

こんばんわ、ともやんです。

先日、証券アプリでたまたま眺めていたワタミ(7522)のチャートに、ちょっと考えさせられました。

かつては数千円で取引されていた株価が、今は943円。ピークからはずいぶん遠いところにいます。

こういうチャート、実は居酒屋・外食チェーンではめずらしくありません。ワタミもかつては「これから伸びる成長株」として人気化していたのに、今はすっかり様変わりしています。

ちなみに私は個別株もインデックスも松井証券で見ているんですが、こうやって並べて眺めていると、いろいろ考えさせられます。

何がワタミを苦しめたのか

原因は一つじゃなくて、いくつも重なっています。

まず、2000年前後の株価自体が成長期待だけで買われた、ちょっとバブル気味の水準だったこと。

そこに2008年に起きた新入社員の過労自殺が2012年に労災認定され、ブランドイメージが大きく傷ついたこと。介護や農業への多角化が、なかなか収益の柱に育たなかったこと。

さらに、若者の飲酒離れや深夜需要の縮小で、居酒屋業界そのものが構造的な逆風にさらされたこと。そしてコロナ禍でとどめを刺された格好です。

ただ、ここは公平に書いておきます。今のワタミの業績は、けっこう良いんです。

2026年3月期は売上高932億円で前期比105.1%、営業利益48億円で105.9%と増収増益。経常利益は64億円で前期比122.7%の大幅増益、自己資本比率も40.4%まで改善しています。

つまり今の株価は、かつての「成長期待バブル」が完全に剥がれ落ちた後の、実力に近い水準なのかもしれません。落ちぶれた会社の株価、という単純な話ではないんですね。

同じ外食でも、トリドールは違った

面白いのは、同じ外食チェーンでもトリドール(丸亀製麺)は全く違う道を歩んだことです。

直近10年で、売上高は2.9倍。年平均11.3%の成長を続けています。

うどんという「日常食」は、居酒屋のような嗜好品的な業態と違って、不況にも時代の変化にも強い。しかも海外にも横展開しやすかった。同じ「外食チェーンの成長株」として注目された銘柄でも、業態の持続性でここまで差がついてしまうんです。

……という話で終わらせようと思ったんですが、調べていて手が止まりました。

でも、トリドールも順風満帆ではなかった

同じ10年で、純利益は0.4倍になっています。

読み間違いではありません。売上が2.9倍になった10年で、利益は6割減っているんです。

何があったか。海外展開です。とくに英国事業が振るわず、2025年3月期には減損損失を計80億円計上して、純利益は前の期比66%減の18億円まで落ち込みました。

結局、英国の丸亀製麺は現地企業に売却してフランチャイズに切り替えています。2026年3月期はそこから純利益2.9倍の55億円まで戻しましたが、それでも最高益だった2022年3月期の89億円には届いていません。

「海外展開がハマった勝ち組」というのは、かなり後から整えた物語なんですよね。渦中では、減損を出しながら撤退の判断をしていたわけですから。

正直、当時これを見抜くのは相当難しかったと思います。ワタミも当時は「伸びる」と見えていたわけですし、トリドールも道中はボロボロでした。

この話、実はAI銘柄にも当てはまる

この「勝ち組と負け組は後から分かる」という話、実はAIブームの今にもそのまま重なります。

数年前まで、Appleの盤石さは疑いようがないと思われていました。Microsoftも「PCのOSを押さえているから安泰」という見え方でした。

ところがAIという新しい軸が出てきた瞬間、序列はガラッと変わりました。NVIDIAがAppleの時価総額を抜く日が来るなんて、少し前まで誰が予想できたでしょうか。

個別企業の強さは、あくまで「今その瞬間」のスナップショットでしかありません。パラダイムシフトが起きると、序列は簡単にひっくり返ります。

技術の蓄積がある企業は強い、でも絶対じゃない

もちろん、技術の蓄積や資本力がある大手企業は、次のトレンドに乗り換える体力があります。Microsoftも、OSやOfficeで稼いだキャッシュを惜しみなくAIに投下できたからこそ、乗り遅れずに済みました。

ただ、これも絶対の保証ではありません。

コダックのように、技術も資本もあったのにデジタル化の波に乗り遅れて沈んだ例もあります。しかもコダックは、デジタルカメラを世界で最初に作った会社です。技術がなかったのではなく、自社のフィルム事業を壊せなかった。

蓄積があるから有利ではあっても、経営判断を一つ間違えれば意味がなくなる。そこが怖いところです。

だから、当てにいかない

ワタミとトリドール。数年前のApple・Microsoft・NVIDIA。

どちらも「後から見れば納得できる話」なんですが、渦中にいるときにどっちが勝つかを言い当てるのは、ほぼ不可能に近いと思います。

だったら、勝ち組を当てにいくゲームで消耗するのはやめて、別の土俵に立てばいい。これが一つの答えだと思っています。

オルカンやNASDAQ100のような時価総額加重の指数を持っておけば、勝った企業には自動的にウェイトが乗っていきますし、負けた企業は自然にフェードアウトしていきます。

誰かが判断しているわけではなく、仕組みとしてそうなっているだけ。読めないなら、読まなくていい仕組みを選ぶ。これが一番楽な戦い方だと、私は思います。

それでも、個別株は楽しいです

ここまで「当てにいくな」という話をしておいて何なんですが。

正直に書きます。私、個別株はけっこう好きです。

最近も優待銘柄を買い増しました。配当が入ってくるのも嬉しいし、優待が届くとちょっとしたイベント感があるんですよね。

「この会社の株を持ってるから、この券が届く」というのは、投資が生活とつながる瞬間です。数字だけを眺めているのとは、実感がぜんぜん違います。

買い物をしていて「あ、ここウチが株主やん」と思う瞬間も、地味に楽しい。

だから、個別株を否定する気はまったくありません。投資を続けるうえで「楽しい」はかなり大事な要素だと思っています。楽しくないものは、続きませんから。

大事なのは、順番だけです

ただ、ひとつだけ。

優待や配当が楽しいのと、資産が増えるのは、別の話なんですよね。

ワタミの優待券をもらい続けていても、株価がピークから何分の一かになってしまえば、トータルでは大きなマイナスです。これは実際にあった話です。

だから私は、こういう順番にしています。

  • コア(増やす担当)… オルカンやNASDAQ100のインデックス。当てにいかなくていい
  • サテライト(楽しむ担当)… 優待株や高配当株。生活が少し豊かになる

役割が違うだけで、どちらが偉いという話ではありません。

ただ、逆にはしない。楽しい担当を主役にしないこと。ここだけは崩さないようにしています。

土台がインデックスで固まっていれば、優待株が下がっても「まあ、券は届くしな」で済みます。逆に優待株だけで組んでいたら、今回のワタミみたいなチャートを毎日見ることになる。

同じ個別株を持つにしても、この差はけっこう大きいと思うんですよね。

難しそうに見えて、実は逆です

最後に、まだ始めていない方へ。

今日の話を読んで「株ってやっぱり難しそう」と思われたかもしれません。

でも、逆なんですよ。

ワタミが下がることも、トリドールが英国で減損を出すことも、NVIDIAがAppleを抜くことも、誰にも読めませんでした。プロにも読めませんでした。

それでも、指数を持っていた人はどれも当てずに済んでいます。負けた会社は勝手に比率が下がり、勝った会社は勝手に比率が上がっていくからです。

つまり、始めるために必要なのは「先を読む力」ではありません。読まなくていい場所に立つこと、それだけです。

しかも、いいことがあります。

土台をインデックスで作っておくと、そのうち個別株で遊ぶ余裕が出てきます。優待をもらったり、応援したい会社の株を買ったり。私がいま楽しめているのも、コアが先に固まっているからなんですよね。

順番はこっちです。まずコア、それから楽しい担当。

証券口座は開設も維持も無料ですし、投資信託は月100円から積み立てられます。まずは月1000円で十分だと思います。それだけで、あなたも今日から「持っている側」です。

口座はどこでも大丈夫です。私は松井証券楽天証券を使っていますが、大手のネット証券ならどこもそこまで差はありません。悩んでいる時間のほうがもったいないので、画面を見て使えそうなほうで大丈夫です。

未来はやっぱり読めません。だからこそ、航路を守る。今日はそんな話でした。

松井証券


楽天証券

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