信用取引とは?VIVANTの空売りシーンで学ぶ仕組みと、個人が手を出しにくい理由

個別株

こんばんわ、ともやんです。

日曜劇場「VIVANT」の続編、いよいよ始まりましたね。

昨日26日の初回放送、ご覧になりましたか。前作からのファンとしては、あの謎だらけの展開がまた見られると思うだけでテンションが上がります。

さて、前作を思い返すと、終盤に主人公の乃木が信用取引で大金を稼ぐシーンがありました。大鳥製薬の株を大量に空売りして、株価が急落したところで買い戻す。それだけで20億円超の利益です。見ていて痛快でしたよね。

ただ、正直に言うと。私はこの手の「信用取引で一発当てる」というやり方、まったくおすすめしません。

今日はドラマのシーンを入り口にしながら、信用取引の仕組みと、なぜ個人がやると往復ビンタになりやすいのかという話をしていきます。

そもそも信用取引って何なの?

普段わたしたちがやっている「現物取引」は、手元にあるお金の範囲で株を買うだけ。とてもシンプルです。

いっぽうの信用取引は、証券会社にお金や株を借りて、自分の資金以上の金額を売買できる仕組みのこと。

担保として預ける「委託保証金」の、だいたい3倍くらいまで取引できます。つまり、レバレッジがかかった状態ですね。

さらに特徴的なのが、買いからだけでなく売りからも入れるという点です。

株を借りて先に売っておいて、値下がりしたところで買い戻す。これが「信用売り」、いわゆる空売りです。乃木がやったのはこちらでした。

上がる場面でも下がる場面でも利益を狙える。これが信用取引の、建前上のメリットということになります。

ちなみに私は信用取引の口座を持っていません。松井証券で現物と積立をやっているだけです。理由はこのあと書きます。

乃木がやっていたことを分解してみる

あらためて第9話のシーンを振り返ってみます。

テントが土地を買うために、あと1000万ドルが足りない。そこで乃木が提案したのが、株の信用取引でした。

新薬の治験失敗を隠していた大鳥製薬。その株を、まず30億円分ほど空売りします。

株価は急落。しかし下げが鈍ってきたところで、さらに10億円分を追加で売る。「1度急落し始めれば必ず止まらなくなる」と踏んで、追い打ちをかけたわけですね。

そして下がり切ったところで買い戻し。手にした利益が20億7000万円でした。

いやはや、しびれる展開です。ただ、ここで冷静に見てほしいポイントがあります。

乃木は「これから何が起きるか」を、ほぼ確信していました。だから40億円という金額を、迷いなく突っ込めたわけです。

現実の相場で、ここまで確度の高い情報を掴める個人投資家。まず、いません。

そもそも現実でやったら、たぶん捕まります

もうひとつ、大事な話を。

劇中の乃木は、空売りを仕掛けたうえで治験失敗の情報を報道機関にリークし、株価を急落させています。

これ、現実だとインサイダー取引や相場操縦にあたる可能性が高いんですよね。公表されていない会社の情報をもとに株を売買することは、金融商品取引法で禁じられています。

ドラマだからこそ痛快に見えるだけで、現実の個人がやろうとしたら、儲かる前に別の意味でアウトになります。

そう考えると、あのシーンは「真似できない」というより「真似してはいけない」という話なのかなと思います。

現実の信用取引は、往復ビンタになりがち

以前の記事でも触れましたが、SNSを見ているとこういう人をよく見かけます。

「下がりそうだから売った」→上がった。「じゃあ今度は買いだ」→下がった。

いわゆる往復ビンタというやつですね。信用取引は、これが起きたときのダメージがそのまま倍増する仕組みだと思ってください。

たとえば下落を予想して信用売りを仕掛けたとします。ところが予想に反して株価が戻ってしまった。含み損に耐えきれず損切り。

悔しいので、今度は「上がる」ほうに賭けて信用買い。でもまた下に振れて、また損切り。

現物取引なら「まあ、そのうち戻るやろ」と評価損のまま耐えられる場面でも、信用取引はレバレッジがかかっているぶん、同じ値幅でも損失がきっちり膨らみます。

いちばん怖いのは「追証」

そして信用取引には、追証(おいしょう)という仕組みがあります。

含み損が一定の水準を超えると、証券会社から「担保を追加してください」と求められるもので、これが用意できないと強制的に決済されてしまいます。

つまり、自分のタイミングで損切りすることすらできなくなる。

ここが現物取引との決定的な違いだと思っています。現物なら、最悪ずっと持っていればいい。でも信用取引には「待つ」という選択肢が残されていません。

なぜ個人投資家に分が悪いのか

以前に書いた「1円刻み指値」の記事でも触れましたが、短期の値動きを当てにいくゲームは、参加者全体で見ると実質マイナスサムです。手数料やコストのぶんだけ、全員の取り分が削られていくからですね。

信用取引の場合、ここに金利や貸株料、そして追証のリスクまで乗ってきます。

もともと分の悪い勝負に、さらにハンデを積み増していくようなもの。そう考えると、なかなか手を出す気にはなれません。

乃木のように情報も資金も桁違いなら話は別ですけどね。私たちのような一般の個人投資家が同じ土俵で戦おうとすると、往復ビンタで資産を削られて終わる可能性のほうがずっと高い。これが正直な感想です。

まとめ

VIVANTのあのシーンは、ドラマとしては最高に痛快でした。あれがあるから物語が動くわけですし、私も普通に見入っていました。

ただ、現実の信用取引は「情報も資金力もない私たち」がやると、往復ビンタで消耗するリスクのほうが大きい。それが結論です。

短期で当てにいくより、時間を味方につけてコツコツ積み上げていく。遠回りに見えて、結局こっちのほうが近道なんじゃないかなと思います。

もし口座をどこにするか迷っているなら、私は楽天証券松井証券あたりが無難かなと思っています。正直、この2社に限らず大手のネット証券ならどこでも大きな差はありません。

それより大事なのは、信用取引で一発当てるための口座ではなく、長く付き合っていくための口座として選ぶことかなと。

今日も航路を守って、ぼちぼちいきましょう。

松井証券


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