こんばんわ、ともやんです。
「株価が1円動くたびに指値を動かしていけば、理論上はずっと有利な位置で売買できるんじゃないか」——そんなことを考えたことはありませんか?私も先日ふと思いついて、Pythonで組めそうだなと考えていました。今日はこの発想を入り口に、「なぜ個人がゼロサムゲームで勝つのは難しいのか」、そして「だからこそ何をすべきか」について書いてみます。
詳しくは記事後半で触れますが、こういう短期売買の限界を知れば知るほど、松井証券
のようなじっくり型の口座で腰を据えることの意味が見えてきます。
「1円刻みの指値」という発想
仕組みとしては単純です。価格が1円動くたびに指値注文をキャンセルし、常に有利な価格で買い(または売り)注文を出し直す。プログラム自体はRPAやAPIを使えば個人でも組めます。常に板の最前線に自分の注文を置き続けるわけですから、一見「機械的に有利なポジションを取り続けられる」ように見えるのも無理はありません。私も仕事で自動化ツールを組んでいる人間なので、この「組めそう感」の誘惑はよく分かります。
なぜ個人には厳しいのか
ただ、この発想を突き詰めていくと、いくつもの壁にぶつかります。
スプレッドの壁。最近は国内株の売買手数料を無料にしている証券会社も多いですが、それでも買値と売値の差(スプレッド)という見えないコストは毎回発生します。1円抜きを狙うような取引では、この往復のスプレッドだけで狙った利幅がほぼ消えてしまう計算になります。
時間優先の壁。取引所の板は「価格優先・時間優先」で処理されます。つまり同じ価格の注文どうしでは、先に出した人から順番に約定します。1円動くたびにキャンセルして出し直す戦略は、注文を動かすたびに列の最後尾へ並び直しているのと同じで、実は自分から約定の優先順位を捨て続けている行動でもあるんですね。
アドバース・セレクションの壁。相場が一方向に動くとき、自分の指値だけが「悪い方」に約定しやすいという性質があります。下落局面で買い指値が刺さり続ける、というのがまさにこれです。言い換えると、「約定できた」という事実そのものが、多くの場合すでに悪いニュースだということです。
速度競争の壁。そして同じ発想は、すでにミリ秒どころかマイクロ秒単位で戦うHFT(高頻度取引)業者が実践しています。彼らは取引所のすぐそばにサーバーを置き、専用のインフラで板情報を処理しています。自宅のPCから証券会社のAPIを叩く個人のプログラムが同じ土俵で板を取り合っても、勝ち目は薄いのが実情です。
短期売買はゼロサム、というよりマイナスサム
ここで一歩引いて考えてみます。短期の売買というのは、誰かの利益が誰かの損失になる「ゼロサムゲーム」です。しかも実際にはスプレッドや税金などのコストが差し引かれるので、参加者全体で見れば「マイナスサムゲーム」になります。その土俵で戦う相手は、上で見たような資金力とインフラを持つプロたちです。
一方で、時間軸を年単位まで伸ばした株式投資は、企業が生み出す利益や配当を原資とする「プラスサムゲーム」に変わります。誰かを出し抜かなくても、経済全体の成長に乗ることでリターンが期待できる。個人が参加できるゲームの中で、構造的に分がある数少ない土俵だと私は思っています。
だからこそ、時間軸を伸ばす
秒単位の勝負で優位性を出すのは、資金力とインフラを持つプレイヤーの領域です。個人が優位性を作れるとしたら、逆に時間軸を伸ばして「コストの重み」と「確率」を味方につける方向だと私は考えています。個人には、四半期ごとに成績を問われない、退場期限がない、時間軸を自分で選べる、という機関投資家にはない自由があります。スイング、あるいは積立による長期投資は、頻繁な売買によるコスト負けを避けられるうえ、精神的にも継続しやすい戦い方です。
口座の使い分けもこの考え方に沿っています。これから投資を始める方には、オリコン顧客満足度NISA部門で3年連続総合1位の楽天証券。投信をじっくり持ち続けたい方やiDeCoも併用したい方には、iDeCoの投信保有でもポイントが貯まる唯一の松井証券
。どちらも「速さ」ではなく「続けやすさ」で選ぶのがポイントです。
結局のところ、ゼロサムゲームの土俵で速さを競うより、時間を味方につけて「航路を守る」ことの方が、個人投資家にとっては勝算のある戦い方なのだと思います。
今日はここまでにします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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