こんばんわ、ともやんです。
毎月注目される「バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバルファンドマネージャー調査(FMS)」の2026年6月版が公表されました。
世界中のプロ投資家が「今どう思っているか」を毎月まとめたレポートで、相場の空気感を読むのにとても参考になります。今月の調査は約200名、運用総額にして数百億ドル規模のファンドマネージャーが対象です。
今回は「難しい用語なしで理解できる」をテーマに、注目ポイントを噛み砕いてまとめました。
結論:強気相場は続いているけど、半導体への集中が史上最高水準に
ひとことで言うとこうなります。
「みんな株を持ちながら、同じ方向(半導体)に走り続けている」状態です。運動会でいえば、全員が同じコーナーに固まって走っているようなイメージ。転んだときに、まとめて巻き込まれるリスクがあります。
① ブル&ベア指標が「売りシグナル」ゾーンへ
BofAには「ブル&ベア指標」というものがあります。0〜10のスケールで、数字が高いほどプロ投資家が強気(ブル)であることを示します。
今月はこの指標が8.8〜8.9まで上昇しました。8以上になると「売りシグナル」とされています。「みんなが強気すぎるときこそ、相場が天井に近い」という逆張りの発想です。
ただしBofA自身は「これは大天井ではなく、プロが強い相場のあとに”夏のポジションを少し落としている”だけ」と表現しています。大きく逃げているわけではなく、利益確定で少し身軽にした、というイメージです。実際、BofAのストラテジストは「本当の天井は、債券と有権者(政治)がシグナルを出す」とコメントしています。
② 半導体への集中が「調査史上最高」という異常事態
今月の調査でいちばん注目すべきポイントがここです。
「最も混雑しているトレード(みんなが同じ方向に張っているポジション)」を聞く質問で、なんと80%のファンドマネージャーが「半導体ロング(半導体株を買い持ち)」と回答しました。これはこの調査の歴史の中で過去最高の数字です。
しかも先月の73%から、わずか1ヶ月でさらに増えています。ちなみに2位は「マグニフィセント7(米大型テック)ロング」で12%、3位は「原油ロング」で4%です。半導体が突出していることがよくわかります。
代表的な銘柄としては、エヌビディアをはじめ、TSMC(台湾積体電路製造)、サムスン電子、SKハイニックスなどAIのハードウェアを支える企業群が中心です。半導体ETFのSMHは、この調査の時点で年初来+99%という驚異的な上昇を見せていました。1月に買って持っていた人は、半年で資産がほぼ倍になった計算です。
ただし「みんなが同じ方向を向いている」状態は、何かのきっかけで崩れると連鎖的に売られやすくなるという点でリスクでもあります。プロ投資家も「高すぎて怖い(fear of heights)」という感覚を持ちながら、それでも抜け出せない状態といえます。
私自身も去年、「半導体は絶対必要やろ」と思いながら株価が横ばいで確信が持てず、結局買えずにいたら今年になって一気に噴き上がりました。株って「正しいと思うタイミング」より「買う人が集まるタイミング」で動くんやなと改めて実感しています。去年の横ばいは「わかってるけど確信が持てない人ばかりだった時期」で、今の高値は「みんなが確信して乗り込んだ後」という構図ですね。
バリュエーション(株価の割高感)は実は思ったより高くない?
「こんなに上がったら株価は割高やろ」と思う方も多いと思います。私もそう思っていました。ところが調べてみると、少し意外な結果でした。
半導体の代表格であるエヌビディアのPER(株価収益率)は、足元では30倍前後の水準です。「30倍って高いやん」と感じるかもしれませんが、エヌビディアは過去に株価の急騰局面でPERが100倍を超える時期もありました。それと比べると、数字だけ見れば今のほうがむしろ落ち着いている、という逆説的な状況です。
なぜかというと、株価が上がった以上に利益が急拡大しているからです。AIブームで半導体の需要が爆発的に増え、収益力が劇的に改善したことで、株価が上がってもPER(株価÷利益)はそれほど跳ね上がっていない、というわけです。
ただし注意したいのは「バリュエーションは極端に高くないけど、上昇スピードが異常」という点です。半導体株指数(SOX)の年初来上昇率は100%前後に達し、値動きの激しさ(ボラティリティ)はドットコムバブル期(2000年)に匹敵する水準まで来ていると報じられています。割高とまでは言えないけれど、値動きの荒さはバブル期並みという状態です。
「PERは低めだから安心」とも言い切れず、「上昇が急すぎて調整がいつ来るか読めない」というのが正直なところだと思います。
③ 株の持ち高はまだ多い。でも少し減らした
ファンドマネージャーの株式配分は「ネット+38%のオーバーウェイト」でした。先月の+50%から下がってはいますが、依然として高水準です。現金比率は3.9%→4.1%に小幅上昇。BofAが「買いシグナル」とする5%には届いていないので、「まだ現金に逃げ込んでいない」状態といえます。
④ 景気の見通しは改善。でも「スタグフレーション」への警戒は続く
景気については楽観派が増えています。ハードランディング(景気失速)を予想する人はわずか5%、ソフトランディング(緩やかな着地)やノーランディング(そのまま好調が続く)を見込む声が多数派です。
ただし「スタグフレーション(成長が鈍いのにインフレが続く)」を来年の経済シナリオとして選んだ投資家はまだ58%と過半数を占めています。先月の69%から減ってはいますが、多くのプロは「景気はそこそこ、でもインフレは簡単に収まらない」とみているわけです。
そして金利の見通しも大きく変わりました。「FRB(米中央銀行)が今後1年で利上げする」と予想する投資家が、先月の16%から今月は40%に急増しています。これまでの相場を支えてきた「利下げが株を押し上げる」という読みが、揺らぎつつあります。
⑤ AIトレードはまだ「ブーム」フェーズ。でも終盤に近づいている?
AI関連株については、56%が「まだブームのフェーズ」と回答しています。「ユーフォリア(末期の熱狂)」とみる人は21%、「すでに利益確定フェーズ」とみる人はわずか9%です。
過去のバブルの教訓でいえば、「ブーム→ユーフォリア→崩壊」という流れをたどることが多いです。「ユーフォリア」を感じ始めた人が21%まで増えているのは、少しずつ終盤に差し掛かっているサインかもしれません。とはいえ、多数派はまだ「ブーム」と感じているので、今すぐ終わりというわけでもないのが悩ましいところです。
まとめ:個人投資家は何を考えればいい?
今回の調査から読み取れる相場の空気感を整理するとこうなります。
- プロは株(特に半導体)に集中しながら、警戒感も持ち始めている
- 「利下げ期待」という強気の根拠が揺らいでいる
- 半導体への集中が史上最高水準で、崩れると連鎖しやすい
- AIはまだブームだが、終盤を意識する声も出てきた
- かといって「今すぐ暴落」というサインでもない
私自身は、こういった調査を見るたびに「やっぱり航路を守るのが一番だな」と改めて思います。プロでさえ毎月見通しが変わるわけですから、個人投資家がタイミングを読もうとするのはなかなか難しい話です。
オルカンやNASDAQ100を積み立てながら、こういった調査を「相場の温度計」として眺める程度がちょうどよいスタンスではないでしょうか。特にNASDAQ100はエヌビディアなど半導体比率が高いので、半導体が崩れた際には影響を受けやすいという点は頭に入れておきたいところです。
こうしたインデックスを淡々と積み立てるなら、コストの低いネット証券が向いています。私が使っているのは松井証券で、NISAなら日本株・米国株・投資信託の売買手数料が無料、投資信託の購入時手数料も全銘柄無料です。さらに投資信託を保有しているだけで残高に応じて最大1%のポイントが貯まるので、長期の積立と相性がいいです。口座開設は無料なので、気になる方は下のバナーからチェックしてみてください。
【おまけ】プロ投資家のワールドカップ優勝予想
実はこの調査、ワールドカップ2026の優勝予想もこっそり聞いていました。せっかくなので紹介します。
- 🇪🇸 スペイン:22%
- 🇫🇷 フランス:19%
- 🏴 イングランド:8%
- 🇧🇷 ブラジル:8%
- 🇦🇷 アルゼンチン:8%
- 🇵🇹 ポルトガル:6%
- 🇩🇪 ドイツ:3%
プロ投資家はスペイン推しが最多という結果でした。見通しが毎月変わるのは相場と同じで、こういう予想も外れることが多いのが面白いところです。
日本代表は……残念ながら票が集まらなかった模様です🇯🇵
相場もワールドカップも、予想通りにいかないのが醍醐味ですね。それでは、また。航路を守っていきましょう。
参考・出典
- BofA Global Research – Global Fund Manager Survey(公式)
- Benzinga – 80% of Fund Managers pile into Global Semiconductors(2026年6月)
- Yahoo Finance / Investing.com – No “big top” yet in risk assets, BofA says(2026年6月)
- InvestingLive – Long semiconductors is the most crowded trade on record(2026年6月)
※本記事は2026年6月時点の公開情報をもとにした情報提供であり、特定の金融商品を推奨するものではありません。調査の数値は集計時点のもので、PERや株価指数などの数値は変動します。投資判断はご自身の責任でお願いします。

コメント