iDeCoは一括と年金どっちで受け取る?結論と、それより先に考えるべきこと

iDeCo

こんにちは、ともやんです。

「iDeCoって一括で受け取るのと、年金みたいに分割で受け取るの、結局どっちが得なんですか?」という質問、よく見かけます。実はこれ、加入年数や退職金の有無、公的年金の受給時期によって答えが変わる、結構奥が深いテーマです。

ただ、受け取り方を考えるのは60歳が近づいてからでいい話です。それより先に押さえておきたいのが、「そもそもiDeCoを始めているかどうか」。受け取り方の損得を気にする以前に、始めていなければ何も生まれません。今日は、受け取り方の基本を簡単に押さえたうえで、なぜ今すぐ始めた方がいいのか、という入口の話をしたいと思います。

なお、私がiDeCoとNISAの積立に使っているのは松井証券です(詳しくは記事後半で紹介します)。

一括受け取りか、年金受け取りか(結論だけ先に)

iDeCoの受け取り方には「一時金(一括)」「年金(分割)」「併用」の3種類があります(併用が選べるかは金融機関によります)。一時金は退職所得扱いで、退職所得控除という大きな非課税枠があり、控除を超えた部分も2分の1だけが課税対象になります。年金は雑所得扱いで、公的年金等控除が使えますが、他の所得(公的年金など)と合算されて課税される総合課税です。

iDeCoの受け取り方は2タイプ(+併用)

💰

一時金(一括受け取り)

税金の扱い:退職所得

✅ 退職所得控除という大きな非課税枠
✅ 枠を超えても1/2だけ課税
✅ 他の所得と合算されない(分離課税)

⚠️ 退職金が多い人は控除枠の取り合いに注意

📅

年金(分割受け取り)

税金の扱い:雑所得

✅ 公的年金等控除が使える
⚠️ 公的年金と合算して課税(総合課税)
⚠️ 所得が増えて社会保険料も上がりやすい

💡 年金受給前の「空白期間」を使えるなら有利な場合も

多くのケースでは「一時金」の方が税負担を抑えやすい

※どちらが得かは退職金・公的年金の見込み次第。決めるのは60歳が近づいてからでOK

ざっくりした傾向としては、退職金が少ない・公的年金の受給がまだ始まっていない期間を活用できるなら年金受け取りも有利になりますが、多くのケースでは一括受け取りの方が税負担を抑えやすい結果になります。理由は、控除超過分でも「2分の1課税」と「他の所得と合算されない分離課税」という二重の優遇が効くからです。年金受け取りは所得として合算されるぶん、税金だけでなく国民健康保険料などの社会保険料の負担が上がりやすい点も見逃せません。

とはいえ、これは60歳が近づいてから、自分の退職金・年金の見込み額を見ながら決めればいい話です(出口課税の具体的な計算は前回の記事で詳しく書いています)。今の時点で大事なのは、この選択肢そのものを持てているかどうか。iDeCoに入っていなければ、そもそも選ぶ権利がありません。

貯金だけの人へ:これは「毎年もらえる節税クーポン」です

貯金だけでコツコツ資産を作っている人にとって、iDeCoの一番のメリットは、掛金が全額所得控除になることです。年収500万円くらいの人なら、限界税率はおよそ20%。月1万円拠出すれば、毎年2.4万円が税金として戻ってきます。これは運用がうまくいくかどうかとは関係なく、拠出するだけで確定的に得られるリターンです。

言ってしまえば、iDeCoは「毎年配られる節税クーポンを使うか使わないか」という話に近いです。使わなければ、そのクーポンはただ捨てられているのと同じ。貯金しかしていない人ほど、このクーポンを取りこぼしている金額は積み重なっています。

「節税クーポン」のしくみ(年収500万円・月1万円の例)

🪙

月1万円をiDeCoに拠出

🧾

掛金が全額「所得控除」に

💴

毎年 約2.4万円が税金から戻る

※運用の成績に関係なく、拠出するだけで確定的に得られるリターンです(税率20%の場合)

すでに資産運用している人へ:NISAの次の一手として

すでにNISAで積立をしている人は、まずNISAの枠を優先的に埋めるのが基本です。NISAは出口が完全非課税で流動性も高いので、資産形成の主軸として最適です。

そのうえで、NISAの枠を使い切った、あるいは併用したいという人にとって、iDeCoは十分に検討価値があります。出口の課税を心配される方も多いですが、以前の年収別シミュレーションで見たとおり、加入期間や年収帯によっては、iDeCo満額の拠出と入口の節税分をNISAで再投資する組み合わせが、単純にNISAだけを使うより手取りが多くなるケースもあります。出口戦略まで含めて考えれば、NISAを補完する形で無理なく組み込める制度です。

転職を考えている人へ:早く始めるほど「加入年数」という資産が積み上がる

転職を考えている人にこそ知ってほしいのが、iDeCoは転職してもそのまま持ち運べる(ポータビリティがある)制度だということです。会社を辞めても解約する必要はなく、そのまま同じ口座で積み立てを続けられます。

そしてiDeCoの出口の非課税枠(退職所得控除)は、掛金を拠出した「加入年数」で決まります。この加入年数は、転職して会社が変わっても通算されます。ここで気をつけたいのが、転職時の手続きの空白です。たとえば企業型DCに入っていた人が転職時に移換の手続きを忘れると、資産が「自動移換」という宙ぶらりんの状態になり、その間は加入年数にカウントされないうえ、手数料だけが差し引かれ続けます。運用もされず、年数も積み上がらない、いいことなしの期間です。

逆に言えば、できるだけ早いタイミングで始めて、転職の際も空白を作らず手続きしておけば、加入年数はそのまま積み上がっていきます。転職を考えているなら、「転職してから」ではなく「今」始めておく方が、将来の非課税枠を大きくできます。

若い人へ:早く始めるほど、少額でも十分な理由

iDeCoの非課税枠(退職所得控除)は、20年を超えると1年ごとに70万円ずつ増えていきます。つまり、大学卒業からずっと積み立てるような加入38年のケースだと、非課税枠は2,000万円を超えます。これだけの枠があると、実は毎月そこまで大きな金額を積む必要はありません。前回の試算のとおり、年率10%で運用できたとすると、月1万円にも満たない金額で、この非課税枠にちょうど収まる計算になります。

加入年数が長いほど、非課税枠(退職所得控除)が育つ

加入10年 …400万円

加入20年 …800万円

加入30年 …1,500万円

加入38年(大卒からフル)…2,060万円

※20年までは年40万円、20年超は年70万円ずつ枠が増加。早く始めるほど「時間」が枠を育ててくれます

若いうちに始めるべき理由は、無理に大きな金額を用意する必要がないからです。少額からでも、時間が長い分だけ非課税枠をフルに使い切れます。逆に、始めるのを先延ばしにするほど、同じ非課税枠に到達するために必要な毎月の金額はどんどん大きくなっていきます。「まとまったお金ができてから始めよう」と考えている人ほど、実は一番効率のいいタイミングを逃していることになります。

まとめ

iDeCoの受け取り方(一括か年金か)は、退職金や公的年金の見込みを見ながら60歳前後で考えればいい話です。今、本当に考えるべきなのは「始めているかどうか」。貯金だけの人にとっては毎年の節税クーポンを取りこぼさないこと、資産運用している人にとってはNISAを補完する次の一手として、転職を考えている人にとっては加入年数という資産を積み上げ続けること、そして若い人にとっては少額でも十分に非課税枠が使えること。それぞれの立場で、iDeCoを始める理由ははっきりしています。受け取り方の細かい損得は、始めてから、老後が近づいたタイミングでゆっくり考えれば十分間に合います。

あなたはどのタイプ?「今」始める理由

💰

貯金だけの人

毎年の「節税クーポン」を
取りこぼさない

📈

NISAをやっている人

NISAを補完する
「次の一手」として

🧳

転職を考えている人

加入年数は転職しても通算。
空白期間だけ作らない

🌱

若い人

時間が枠を育てるから
少額スタートで十分

最後に、私がメインで使っている松井証券について改めて紹介しておきます。iDeCoの運営管理手数料が0円で、投資信託を保有しているだけで残高に応じて最大年1%のポイントが貯まります。しかもiDeCoで保有している投資信託までポイント還元の対象になるのは松井証券だけです。NISAも日本株・米国株・投資信託の売買手数料が無料、投信の購入時手数料も全銘柄無料なので、NISAとiDeCoを両輪でコツコツ積み立てていくのにぴったりの証券会社です。口座開設は無料なので、「始める側」に回りたい方は下のバナーからチェックしてみてください。

松井証券

※本記事は執筆時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。受け取り時の税額は加入年数・退職金の有無・公的年金の受給状況など個々の状況により大きく異なります。具体的な判断は税理士やFPなどの専門家にご相談のうえ、ご自身の責任で行ってください。

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